心理学ノート8

〜人格・適応〜

人格の把握(類型論 クレッチマー ユング シェプランガー

 特性論キャッテル 融合論アイゼンク 人格の形成

適応 心の健康 ストレスと身体反応 適応のメカニズム(フラストレーション 防衛機能   防衛規制の様相

人格=パーソナリティ
ということばは、もともとラテン語で“仮面”を意味する“ヘルソナ”に由来している.
人格とは、その個人の思考や行動を特徴づけてる一貫性と持続性をもった心身の統一的な体制のこと.
そしてこの体制は、個人の成長とともにたえず変化・発展する.

人格personalityと性格characterはほぼ同義に使われるが、

本来、個人を特徴づける全体的行動様式をさすのが人格,
人格の中の情緒的・意思的な側面の特徴を強調する時もちいられるのが性格.


∇人格の把握

 ■類型論=一定の原理に基づいて性格をいくつかの類型に分類し,それぞれの型の特徴を記述し理解する方法

   @クレッチマー(精神病理学者)の類型論

      体格と性格の間には一定の関係があると考えた

体型と気質
(個人特有の行動様式の基礎になっている遺伝的・生物学的な特性)
細身型 分裂気質 社交的・きまじめ・臆病・神経質・従順・鈍感・無関心・等
肥満型 躁鬱気質 社交的・善良・陽気・活発・激しやすい・物静か・鈍重・など
闘士型 粘着気質 几帳面・執着性・粘り強い・怒りやすい・など

   Aユングのタイプ論

     ユングは人の基本態度から、性格を外向性内向性に分けた

     外向性=興味や関心が常に周囲の人物や事象に向けられ、客体を基準に自らを位置付けようとする
     内向性=自分自信に関心が集中する傾向が強い

      さらに、主要な心理機能として、思考・感情・感覚・直感を設定し(外交思考型)
      個人は日常の生活の中でその中のどれを得意とするかで8つのタイプを設定した(内向思考型等)

   Bシェプランガーの類型論

     文化と性格の関連性に着眼し、ひとの基本的な生活領域として
                         理論・経済・審美・社会・政治・宗教  の6種を設定し
     その人がどの領域に価値を置き,行動の基準にしているかにより性格を把握しようとした。

(類型に基づく性格の把握は複雑な性格を統一的・全体的に理解できるが、同じ類型の人を画一化してしまう危険性を含む)

 ■特性論=人の性格を、活動性とか支配性といったいくつかの特性から構成されてると考え、個人がその特性をどの程度
           もっているか量的に把握→独特な性格をあきらかにする
(個人の差異は質の違いではなく程度の差)

   B.B.キャッテル
     人の行動特徴を記述する具体的な言葉集め
        →35の特性群(表面的)根源的特性として12の特性因子を抽出

    
 根源的特性=表面的特性の背後にある 
        例;“情緒安定ー情緒不安定”“支配的ー服従的”“積極的ー依存的”

        例えば、乱れやすい,緊張した,平静な,といった外部からの直接観察可能な行動の諸特性は,
        “情緒安定ー情緒不安定”という根源的特性の因子の中に位置付けられる。

        (この方法は特性ごとに数量化できるので、個人間の客観的な比較は可能であるが、
        断片的・モザイク的で全体像はつかみにくいという欠点が指摘されている)
 
         

 類型論と特性論の融合 

   アイゼンク
     因子分析の一手法であるクライテリオン分析を用いて両者の融合を試みた
     
      ※クライテリオン分析;判別力のあるテストを選び出すために、因子分析に仮説演繹法の概念をおうようしたもの

                            
                    

    上の図;まず個人特有の行動様式=特殊反応の繰り返し→習慣反応→特殊因子の体制化→類型

    類型には外向性−内向性神経症的傾向精神病的傾向の3つがあるが、
    ↑の類型のように個人をどの類型に分類するかではなく,
    “両極を持つ連続体”と言う意味で類型が用いられている。

∇人格の形成

        人格形成に関与する要因は複雑であるが、いちおう以下の3つに分けて考えることができる

遺伝的要因
遺伝規定性を探る研究法は,双生児法と家系研究法がある。
すぐれた人材は遺伝によって規定されるところが大きいと推論されている・・・・

固体的要因
身体器官の構造や機能(神経学的・生理学的働き)は人格形成に影響を及ぼしている事はあきらかである。
例;交感神経のバランスの崩れ→イライラ  ホルモン量→気分や動作に影響  容姿・体格→自信・劣等感

環境的要因
  自然環境(気候・風土)
  社会環境(家族・学校・社会ー国によっても違う)


〜適応〜

近年、社会環境の変化はめざましく大規模である。多くの人々は社会からの要請にこたえている。
しかし、人間の適応能力には限界がありことも事実である。その限界を超えてまで適応を強いられるとき
様々なストレスや不適応が生じる。

∇心の健康

   適応(adjustment)=個人が環やまわりの人間との間に適切な関係を維持しつつ,
                     しかも自己の心理的安定が保たれている状態の事を言う。


   不適応反応一般に不適応状態では、不安感や焦燥感,それに劣等感といった心理的に不安定な兆候を示す。
                  それは、身体症状(発汗・動悸・頭痛・胃痛等)として自覚されることもある。

               フラストレーション事態の反応(怒り・敵意・皮肉・中傷・固着反応・自分勝手・過度の依存・退行的反応)



∇ストレスと身体反応

  現代は“ストレス社会”ともいわれるほど、ストレスを引き起こす様々な要因(ストレッサー)が存在.

       環境的要因(寒さ・騒音・大気汚染等)
       社会的要因(人間関係・転職・転居)
       身体的要因(病気・過労)

  H.セリエ
    「人はストレス事態に対してさまざまな対処(コーピング)しようとするが、
    身体も身体内の代謝機能が活発になる。
    例えば、交感神経に反応がおこり副腎髄質からアドレナリンが分泌され、ホルモンの分泌も増加する。
    これは、汎適応症候群といわれ、生体の緊急事態に身体内部の環境を安定させようとする反応である。」
     
    しかし、ストレス状態が長く続くと副腎皮質の肥大,リンパ腺の萎縮,胃や十二指腸の出血潰瘍を誘発する。
    これらは、十分な解明はなされてないが、

          身体疾患の発症と経過には心理的な諸要因が影響していると考えられる。


   

∇適応のメカニズム

   フラストレーション耐性;フラストレーション事態を合理的な解決にむけて努力する耐性
                  混乱しない・障害を見極める・対処できる態勢

       
∴フラストレーション経験は即不適応につながるのではなく,ある程度の経験は人格形成のうえで望ましい場合もある

   防衛規制(適応規制);切迫した状況に置かれた時,自我が傷ついたり崩壊するのを防ぎ,
                  その統合を維持しようとする心の働き

     
   ∴現実に対する適切な認識に基づいた規制として機能することは適応上きわめて重要で、適応規制といえる。

        

   目次

02/09/01
01/07/09


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