認知は人間が環境に適応していくために必要なものである
感覚・知覚・認知 知覚の恒常性 錯視 社会的知覚 近年の認知研究 メタ認知 脳の研究
ルビンの杯 錯視図形(ミュラー・リヤー,ホンゾ,へリング,ヴント) ボーリング「妻とその母」 カニッサ「形の知覚」
∇感覚・知覚・認知
感覚sensation 認知行動(情報処理活動)の最初の段階ではたらいている働き
耳ー言葉を覚え,音楽を聴く 目ーほんを読み絵画を鑑賞
感覚とは物理的刺激にたいする感覚受容器(目・耳等)での情報処理を始点とする神経生理的情報処理過程
知覚perception 感覚経験に基づき外界や自己を知る働き
感覚情報に基づいた認知であり感覚情報から意味を抽出したり感覚情報に意味を与えたりする
知覚は物理的世界のたんなるこピーではなく,外界・自己を知るための仮設と推論に基づく能動的な判断過程
認知cognition 知るという働きの総称
認知は感覚・知覚・判断・記憶・推論・課題の発見と解決・言語。情動・欲求など全てが関わる情報処理活動
認知の働きは、知識を獲得し,組織立て,それを利用する事
§感覚
感覚の種類 視覚・聴覚・嗅覚・味覚・皮膚感覚ー五官(感)+平衡感覚・運動感覚・有機感覚
感覚能力の限界 感覚能力には限界がある(可視範囲・可聴範囲)
感覚の統合 日常生活での感覚はふつう合成ないし統合された感覚として体験(「味わう」=味+視+嗅+触 等
感覚の統合の際視覚優位で統合する場合が多い
知覚の体制化において最も基本的な現象は図と地の分化である
ルビンの杯(下図)は図と地の分化がよくわかる。
※人間の横顔と杯の反転現象が知覚される。
視野はほとんどの場合、物の性質や意味を持つ浮き出て見える部分(図)と,
背景となる部分(地)に分化する。−
∴意味ある形や物が知覚されるのはこの働きによる。
∴知覚とは刺激の差異の体制化ともいえる
∇知覚の恒常性
物理的刺激の変化にもかかわらず,そのものの性質を同一に保とうとする知覚の働き
例;斜め上から見た珈琲カップの淵の網膜像は楕円なのに,私達は珈琲カップは真円とみる
例;開いてるドアの形はくし型なのに長方形
例:自分の手のひらを遠ざけると小さいはずなのに同じ大きさとみる等
これらは形の恒常性(大きさの恒常性もある)といい、
知覚される形がつねに同一性を保持する性質である。
すなわち、経験に基づいた(裏付けられた)知識(信念)で知覚判断をするということ
∴知覚の恒常性のおかげで知覚的世界は安定し,環境に適応しやすくなる
∇錯視
知覚状態と物理状態のずれのこと
「目の錯覚」は錯視現象
例;地平線に近い月が天中の月より大きく見える
※下の図は心理学者たちが考案した 幾何学的錯視図形
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∇社会的知覚 new look psychology
物や状況がどのように知覚されるかは
知覚者の主体的条件(情動・欲求・構え・過去経験等)によって大きく変わりうる.
例:ブルーナーの実験
子ども達に五種類の硬貨をそれぞれただの円板と比較させた
硬貨の方が大きく知覚され,硬貨の価値が高いほど,子どもの家庭が貧しいほど,硬貨は大きく知覚された。
∴知覚者にとって価値のあるものや欲求の対象となるものは知覚されやすく(知覚的促進)、
知覚者にとって価値の無いもの,不快なものは知覚されにくい(知覚的防衛)。
※ロールシャッハ・テスト(投影法による人格検査の1つ)
刺激図版に対してみられる被験者の主観的体制化(意味づけ)は、知覚において主体的条件が作用してる例
∇近年の認知研究
1960年代からの認知研究では情報処理的アプローチが目覚しい発展を遂げている
近年の認知研究
入力情報は特徴検出され、
その処理情報は蓄えられている情報と照合・結合され、最終的な認知経験となる。 (下図参照)
∇メタ認知
私達が自らの働きそのものを自覚すること.
メタ認知は情報処理活動を監視(モニタリング)し制御(コントロール)している
記憶・学習・課題解決において重要な役割を果たしている
∴正しい思考をしているかどうかを自ら吟味できるのはメタ認知のおかげ!
∇脳の研究
近年の神経心理学では、脳を1つの大きな情報処理システムとしてその機能を解明しようとしてる。
ヒューベルトとヴィゼール等
情報処理をしている神経細胞には方向・運動・色などに反応する細胞が存在
(生体が情報処理を行う基礎を生得的に備えていることを示す)
スペーリ等
右脳−非言語的図形や映像を処理(空間的・合成的・統合的働き)
左脳−言語・概念・記号・時間的情報の処理(算術的・論理的・分析的な働き)
心理学目次
02/8/31
01/7/05